中小企業の経営者の方の中には「なぜ、うちのHPは上位表示ができないのだろう?」とお悩みの方も多いと思います。
しかし、中小企業のHPで必要なのは、上位表示されることではありません。
大切なのは、「反応の取れ、利益の出るHPとする」ことです。
確かに、検索数の多いキーワードで上位表示できれば、訪問者は増えますが、その対策には多くの資金と時間がかかるため、中小企業が大手企業に勝つのは困難です。
また、そんなことをすれば、際限のない消耗戦となってしまいます。
中小企業は、中小企業なりの方法で、HPによる集客をすることが可能です。
以下では、中小企業がHPでとるべき戦略について解説いたします。
中小企業のSEO戦略の状況
中小企業がHP集客でとるべきなのは
「検索数1,000以下の二ッチキーワードだけを狙う」
「自社だけか書ける記事を作る」
という戦略です。
そもそも、企業が検索で、上位表示を狙うのはなぜでしょうか?
「自社製品を広く知ってもらって、購入につなげたいから」
「自社の企業理や理想を知ってもらいたいから」
「HPを通じて、優秀な人材を募集したいから」
理由はいろいろとあると思いますが、つまるところ「自社に関連のあるキーワードを上位に表示させ、HPに誘導して販売機会を得たいから」だと思います。
中には、このような明確な目的がなく、単に上位表示されればメリットが生じると考えている企業もあるかもしれません。
しかし、あなたの企業がよほど特別な製品やサービスをしているのでなければ、狙うべきキーワードは多かれ少なかれ、他社と似たようなものとなってしまいます。
そのときに生じるのが、「検索順位をめぐる競争」です。
最近の検索順位の競争は、とても熾烈なものとなっています。
特に、月間検索件数が10,000件以上のビックワードで10位以内に入るには、かなりの対策が必要となるため、ここで上位表示しようとすれば、大きなコストと手間がかかります。
また、仮に高い順位を取ったとしても、すぐに他の企業がそれを上回る対策をしてくるので、短期間でランクダウンしてしまうことも当たり前となっています。
ちなみに、2017年InternetMarketingNinjas調査によれば、キーワードの順位ごとのクリック率は次のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
21.1% | 10.7% | 7.6% | 4.7% | 3.4% | 2.6% | 2.7% | 1.7% | 1.7% | 1.7% |
これを見れば、4位以下の順位ではほとんど宣伝効果が得られていないということが、おわかりいただけるでしょう。
中小企業が、利益を出しながら勝ち残る戦略とは?
このように、ビックワードやそれに準じたキーワードを狙った競争では、中小企業が採算をとりながら効果を出していくのが非常に厳しいといえます。
では、中小企業は「絶対、資金力のある企業に太刀打ちできないのか?」といえばそうではありません。
中小企業は、身の丈にあった戦略で戦うことにより、十分に収益を上げることができます。
そのために必要なのが
「ニッチなキーワードで数多くの上位ポジションを取る(二ッチ&ロングテール戦略)」
「ユーザーの感情に訴える記事を書く」(オリジナルコンテンツの作成)」
という2つの戦略です。
二ッチ&ロングテール戦略
「ロングテール戦略」とは?
本来「ロングテール戦略」とは、売れ筋の商品に依存するのではなく、販売総数の少ないニッチな製品を数多く取り扱うことで対象となる顧客の総数を増やす方法をいいます。
しかし、ここでおすすめするのは、「ビックキーワードではなく、数多くの小さなキーワードについて対策をする戦略」となります。
これをわかりやすくいえば、「複合キーワード」を狙っていくということになります。
参考:ブログウォッチャー
先程の統計をもう一度よく見てください。
8位のCTRは約1.7%となっていますが、この傾向はずっとその後も続き20位でも1.2%とそれほど違いはありません。
ビックワードでは8位を獲得するのも大変ですが、しかし、15位とか20位であれば、十分に食い込むことが可能です。
この場合の最終的な成約率は、かなり小さなものとなりますが、このようなキーワードがいくつもあれば、合計の成約率としてはそれなりの数を見込めることになります。
このように、メインキーワードを直接ターゲットにするのではなく、それに関連する数多くの派生キーワードで上位表示を狙うというのが、ここでのロングテール戦略の基本となります。
「二ッチキーワード戦略」とは?
ロングキーワード戦略とは、別にすすめていきたいのが「二ッチキーワード戦略」です。
これは、メインキーワードを軸とせず、それとは別の二ッチなキーワードを攻略していくものとなります。
事業に有益なキーワードは、なにもビックキーワードに関連するものだけではありません。
事業の内容をよく洗い出していけば、逆にこれらのキーワードの方が多いということに気づくはずです。
また、これらの二ッチキーワードは、狙っている人が少ないため、比較的、簡単な労力で上位表示させることができます。
そのため、これらのキーワードをできるだけ拾い出して、上位表示させることにより、さらにキーワードの裾野を広げられるだけでなく、数多くユーザーを呼び込むことが可能となります。
読んだ人の反応が取れる記事を作る(オリジナルコンテンツ戦略)
どんなに上位表示をされても、そのコンテンツの中身が他と同じようなものでは意味がありません。
しかし、中小企業が差別化のできた優れた内容のコンテンツを作るのは、至難のワザといえます。
けれど、これを簡単に行う方法が2つあります。
商品やサービスの徹底的な紹介
一つは、「自社の商品や理念などを、徹底して細かく紹介する」ということです。
商品の販売ページなどでは、製品のスペックやそれを使った第三者の感想などが紹介されているのが普通です。
逆に「使ってみて悪いと思った部分」や「なぜ、その商品を取り扱っているのか?」、「その商品を使ってみてどんな風に生活が変わるのか?」などについては、触れられていないのが普通です。
しかし、消費者が知りたいのは、まさにこういう情報です。
そのため、社長自らが感じたことをウソ偽りなく、熱意をもって発信すれば、それに満足感を感じる方は必ず現れます。
このような顧客は、商品の表面的な価値ではなく、社長が発信する情報に惹かれているのですから、会社のファンとなってくれる可能性が非常に高いといえます。
例えば、あなたも、上位の記事ではなくても、読んでみて「そうそう、それが知りたかったんだ!」とか「いいこと言っているなー」と感じたことはありませんか?
読み手に取ってよい記事は上位表示されているものばかりとは限らないのです。
こういう記事は、読んだ人の気持ちに強く訴えかけ、ユーザーに次の行動へと促します。
中小企業が目指すべきは、このような記事です。
このような記事を書くためには、経営者にその商品やサービスについての深い知識が求められるのは当然ですが、「見込み客」がどんなことを知りたがっているのか?」ということを理解しているかが最も重要となります。
事例を最大限に活用する。
中小企業ができる差別化の2つ目は「自社の事例」です。
一般的なコンテンツは、いずれ他にパクられてしまうことがほとんどです。
しかし、社長の感覚で解説した記事や事例などは、これをパクることができないため、常に差別化することができ、検索対策上も有効な対策となります。
けれど、ここで注意が必要なのは「普通に事例を書いただけでは、ユーザーの共感を引き出すのが難しい」ということです。
それが、よほど特別な内容であれば別ですが、なかなかそのような事例も多くはないでしょう。
そのため、ある程度、ユーザーの感情に訴えかけるには、ストーリーや書き方なども重要となってきます。
この点で内製化が難しい場合には、はじめのうちはコンサルや外部企業に作成を依頼して、その中で内製化できるだけのノウハウを習得していくという方法がおすすめめできます。
定期的に記事を作り続けること
多くの中小企業に共通してできていないことに、「継続して記事を書く」ということがあります。
せっかくブログや記事の発信をしても、3ヶ月も続かずに辞めてしまうところがほとんどです。
しかし、これでは、上位表示はおろか、多くの方に記事を読んでもらうということも難しくなります。
現在、Googleでは、少ない記事数や少ない文字数のコンテンツは評価されにくい傾向にあります
具体的にどの程度のボリュームがあればよいかについてはハッキリとはいえませんが、記事数については100程度、文字数については3,000文字以上は欲しいところです。
なので、500とか1,000文字程度の記事をたまに掲載しただけでは、評価はされないと思った方がよいでしょう。
また、コンテンツの文字数が少ないと情報が不足し、ユーザーの満足度は低いものとなります。
また、記事数が少なければ、記事を相互にリンクして内部対策をするということもできません。
そのため、ある程度以上の文字数で、それなりの数の記事を作るということは、検索対策においても、ユーザビリティの点でも必須といえます。
いきなり売ろうとしないことが大切
このように、中小企業が検索対策をしていく上で重要なのは「ユーザーの満足度を上げて、成約率を上げる」ということです。
まちがっても、ビックワードに大量の資金をつぎこむことなどではありません。
そのうえで、大切なのは
「多くの派生・二ッチなキーワードで上位表示させる」
「ユーザーの感情に訴える記事を書く」
ということです。
また、HPを見て訪れた方を顧客化するために大切なのが「それらの人に、いきなり商品やサービスを売ろうとしない」ということです。
せっかく記事を読んで好感度が上がっているにも関わらず、そこで売り込みをすれば、それまでの苦労が台無しになってしまいます。
もちろん、HPの中で商品やサービスが買える仕組みを作っておくことは必要ですが、売り込みはしません。
多くの企業が「成約率=販売」と考えて、サイト内で販売しようとしますが、たいていの場合、これは失敗します。
なぜなら、ユーザー側に「ここで買おう」と思うほどの信頼感ができていないからです。
そのためHPでは、「ユーザーの信頼を獲得する」ことと、「個人情報を取得する」ということに徹するべきです。
記事でユーザーに信頼感を与え、そのうえで無料プレゼントやレポートなどで個人情報を取得し、取得した情報先に対して定期的なニュースレターやメルマガの送付し、最後に販売のオファーをするという仕組みがないと、どれだけクリックを稼いでも成約につなげることはできません。
例えば、HPを見た人にアプローチする方法としては、次のようなものが考えられます。
HPユーザーへのアプローチ例
〇 商品のモニターとなってもらい、その様子を記事にする
〇 商品の購入時に利用できる補助金の内容や申込みなどをサポートする
以上の流れをまとめると、次のような仕組みとなります。
確かにHPの閲覧数やクリック率は重要なものではありますが、「それらの人をどうやって成約にまで導くか?」といった戦略も中小企業には欠かせないものといえます。
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