コンセプトはすべての集客の始まり
あなたは、自分の事務所のコンセプトを一言でいえますか?
こう聞かれてよくあるのが
「うちは創業者の支援に力を入れています。」
「うちの特徴は、早くて正確な会計をめざしています。」
「中小企業に親身な会計事務所です。」
などというものです。
確かにこれでも悪くはないのですが、しかしこれを聞いた方には、正直、ぼんやりした印象しか残らないのではないかと思います。
そもそもコンセプトとは「あなたが社会や利用者に対し、〇〇したいという想いや方針」です。
それには、「創業者の力になりたい」、「利益の残せる会社にする手伝いがしたい」など様々な形があると思います。
では、また、ここで一つ質問です。
「そのコンセプトと他の事務所のコンセプトの違いは、何でしょうか?」
先にあげたようなコンセプトであれば、同じことを考えている方は、他にもたくさんいるはずです。
なので、同じコンセプトの事務所が複数あった場合、利用する側にはどこが違うのかがわかりません。
それに、同じようなコンセプトばかりだと、お客さんからは「またか!」と思われてしまいます。
例えば、ダイエットジムのライザップのコンセプトは、「これまで痩せられなかった人が確実に痩せられる」です。また、学習塾の河合塾の場合は「ライバルだけでなく、自分という敵に勝つための力をつけるための指導」をコンセプトとしています。
いずれについても、従来にはなかったものや、他とは違った切り口をコンセプトにすることに成功しています。
そして、このコンセプトを一言で表すのが「キャッチコピー」です。
ライザップの場合は「結果にコミットする!」
河合塾の場合は「昨日の自分に差をつける!」
どちらも、コンセプトが伝わるとともに、見た人の心に残る秀逸なコピーです。
このように、コンセプトがありきたりだと「差別化ができない」こととなり、またキャッチコピーが弱ければ「思いが伝わらない」ということになってしまいます。
優れたコンセプトの作り方 3つのポイント
とはいえ、同じような業務をしている会計事務所では、差別化できるコンセプトを作るのが難しいとお考えの方も多いのではないかと思います。
そこで、ここでは魅力的なコンセプトを作るためのヒントを3つお教えします。
コンセプトは「絞る」ほど伝わるもの
コンセプトを作るうえで、まず重要なのが「できるだけ絞る」ということです。コンセプトを考える場合にありがちなのが、「あれも、これも」と欲張ってしまうことです。
いろいろと伝えたくなる気持ちはわかりますが、それでは魅力は分散してしまいますし、ますます伝わりにくいものとなってしまいます。
なので、コンセプトは、「一つに絞る」のが大原則です。
「一つに絞る」とは、言い換えれば「他のものを捨てる」ということです。
なので、なかなか思い切りがつかないという方もいるでしょうが、これができないとコンセプトもキャッチコピーも弱いものとなってしまいます。
例えば、あなたが建設業の許可のできる行政書士を探しているときに、その行政書士から、次のように自己紹介されたとします。
➀ 「ウチは、許認可全般の手続きに強い事務所です。」
➁ 「ウチは、建設業、会社設立、相続手続きがメインの事務所です。」
➂ 「ウチは、約〇十年間、建設業を専門にしてきた事務所です。」
➀の場合には、具体的な強みや特徴がよくわかりません。また、②の場合は、①よりはましですが業務の分野が複数あるため、結局、どれが得意なのかわかりません。しかし、③の場合ならば建設業に強いということが明確にわかります。
しかし、この場合には、相続や会社の設立といった業務は「捨てる」ことになるため、勇気が必要ですが、それでも建設業に強い事務所を探している方にとっては、深く刺さることになります。
このように勇気をもってに絞り込めば、絞り込むほど、自分を必要としてくれる方にアピールできるだけでなく、それ以外の方に対しても強く印象付けることができるようになります。
コンセプト等には「エッジ」を効かせる
コンセプトやキャッチコピーを作るうえで、次に必要となるのが「エッジを効かせる」ということです。
この場合の「エッジを効かせる」とは、「際立たせる」、「違いを出す」という程度にお考え下さい。
せっかくよいコンセプトができたとしても、それがぼんやりしたものだったり、他と区別しにくいものだったりでは、もったいないですよね。
そこで、さらにこれらをよくするために必要なのが「強みを際立たせる」という作業です。
これには、いくつかのやり方がありますが、その中でも一番強力なのが
「見た人の欲望を刺激」
する方法です。
例えば、
「〇〇事務所では、正確、迅速な記帳・決算を行います。」と「〇〇事務所では、銀行融資や税務調査
に強い決算で会社の225社の資金繰りを改善してきました。」という2つのコピーがあった場合、どちらが魅力的だと思うでしょうか?
おそらくほとんどの方が「後者」と答えると思います。
なぜなら、前者は単に事務所を利用した場合のメリットを伝えているだけですが、後者は「事務所を利用した場合に得られる満足感」をあらわしているからです。
このように、コンセプトやキャッチコピーを考える際には単にメリットを並べるのではなく、「もしそれを使ったらどんなふうになれるのか?」とか、「どんなものを手に入れられるのか?」ということを想像できるように作ると、より相手の印象に残りやすいものとなります。
コンセプトに困ったら「強みを自分で作る」
以上、コンセプトの作り方のヒントをご説明しましたが、それでも「なかなか強みが見つからない」、「絞れない」という方も少なくないと思います。
そんな場合に役立つのが、「強みを自分で作り出す」ことです。
例えば、一番簡単な方法として挙げられるのが「地域を限定する」という手法です。
おそらく、あなたがコンセプトやキャッチコピーが作れないのは「業界全体で一番」とか「〇〇の分野で一番」などと考えているからだと思います。
でも、そんなことができるのは、ほんの一部の人だけであって、ほとんどの方にはそんな強力なコンセプトは作れないのが普通でしょう。
しかし、これをもっと範囲を狭くして考えたらどうでしょうか?
例えば「ウチは、世田谷区で一番、相談件数の事務所です。」、「ウチは、荒川区で最も古い会計事務所です。」などといった感じです。
もし、範囲を狭めて考えてもよいコンセプトにならない場合は、次のようなコンセプトにしてもよいでしょう。
創業者の支援に力をいれるのなら
「融資も補助金も、初期費用0円でお引き受けします。」
「創業者限定!毎月の記帳が区内最安の5,000円~」
記帳の速さに自信があるなら
「伝票預かりから10日で試算表を作成」
銀行対策に強いなら
「◯社の融資を引き出してた経験と実績あり」
経営者のサポートならば
「電話一本。経営の悩みにその場で答える会計事務所!」
コンセプトを作るときに重要なのが、現状のあるものだけから考えるのではなく、「あえて、自分で作り出す」ということです。
例えば、上記の2例目の場合、「5,000円ではやっていけない」という人もいると思いますが、そこはプランの立て方次第です。最安の5,000円の場合には、仕分けの数を限定するや期間を半年だけにするとかにすれば、対応は可能でしょう。
また、実際には、5,000円プラン目当てで来た人であっても、その内容を十分に説明し、通常プランの方がメリットが多いということを説明すれば、こちらを選んだりするものです。
さらに、先ほどの一例目についてですが、これは当事務所がある会計事務所とタイアップして行っているもので、創業者の方に限り政策金融公庫と制度融資の両方を「初期費用0円 完全成功報酬」で行っています。
この場合、税理士さんには試算表や財務関連の資料を作ってもらい、当事務所ではそれにもとづいて事業計画書を作るというような分担をし、集客は双方で行っています。(もちろん、記帳業務は税理士さんにお渡しです)
このようにコンセプトは、その後の集客のすべての元であり、これがよくない場合には集客そのものもうまくいかなくなってしまいます。
なので、いかに「絞って」、「エッジの効いた」ものにするかをよく考えてみてください。
なお、最後にコンセプトを見つけるためのお手伝いとして「コンセプト発見シート」をつけさせていただきましたので、よろしければご参考ください。
コンセプト発見シート
Q1 あなたが思う自分の事務所の強みやコンセプトは何ですか? ➀ ➁ ➂ Q2 同じコンセプトのライバルをネットなどで検索して3つ上げてください。 ➀ ➁ ➂ Q3 そのライバルと比べて、自分の事務所に依頼したいと思いますか? YES ・ NO Q4 思う場合にはなぜそう思うか、その理由を3つあげてください。 ➀ ➁ ➂ Q5 思わない場合はなぜなのか、その理由を3つあげてください。 ➀ ➁ ➂ Q6 自分は最終的にそのライバルと比べて優れていると思いますか? YES ・ NO Q7 思わない理由のうち、改善できそうな部分はどこですか? ➀に対する改善法 ➁に対する改善法 ➂に対する改善法 |
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